論語 述而第七(じゅつじ) 37文の漢文と現代訳

論語全文(漢文、訳) : 2014.09.03 Wednesday

ここでは論語の第七編 述而第七の漢文、読み仮名、現代語訳を紹介します。


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述而第七_01

子曰
述而不作
信而好古
竊比於我老彭
しいわく
のべてつくらず
しんじていにしえをこのむ
ひそかにわがろうほうにひす
孔子が言った
私は新たに何かを創作していない
古き良きものを信じて好むだけだ
密かに尊敬する老彭のやり方を真似ている

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述而第七_02

子曰
默而識之
學而不厭
誨人不倦
何有於我哉
しいわく
もくしてこれをしり
まなびていとわず
ひとをおしえてうまず
なにかわれにあらんや
孔子が言った
静かに物事を記憶して
熱心に学び
人に教えて怠らない
これらの事は私にとっては当たり前の事だ

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述而第七_03

子曰
徳之不脩
學之不講
聞義不能徙
不善不能改
是吾憂也
しいわく
とくのおさまらざる
がくのこうぜざる
ぎをきいてうつるあたわざる
ふぜんのあらたむるあたわざる
これわがうれいなり
孔子が言った
道徳に従わないこと
学問を学ばないこと
必要な時に行動できないこと
欠点を正さないこと
こうならない様に私はいつも心配している

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述而第七_04

子之燕居
申申如也
夭夭如也
しのえんきょするや
しんしんじょたり
ようようじょたり
孔子は自宅に居る時は
いつも穏やかで
和やかであった

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述而第七_05

子曰
甚矣
吾衰也
久矣
吾不復夢見周公
しいわく
はなはだしいかな
わがおとろうるや
ひさしいかな
われまたゆめにしゅうこうをみず
孔子が言った
甚だしく
私も衰えた
随分と月日が経った
最後に夢の中で周公にお会いしてから

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述而第七_06

子曰
志於道
據於徳
依於仁
遊於藝
しいわく
みちにこころざし
とくにより
じんにより
げいにあそぶ
孔子が言った
人格者たらんと志を持ち
道徳に従い
仁の心に従い
技芸を楽しみなさい

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述而第七_07

子曰
自行束脩以上
吾未嘗無誨焉
しいわく
そくしゅうをおこなうよりいじょうは
われいまだかつておしうることなくんばあらず
孔子が言った
授業料で一束の干し肉を持ってきたら
私は誰であろうと学問を教えてきた

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述而第七_08

子曰
不憤不啓
不悱不發
擧一隅
不以三隅反
則不復也
しいわく
ふんせざればけいせず
ひせざればはっせず
いちぐうをあげて
さんぐうをもってかえさざれば
すなわちふたたびせざるなり
孔子が言った
自分で悩み考えない者は指導しない
自分の考えが口から出かけてなければ導かない
一を教えたら
三の答えや疑問を返してくるようでなければ
二度と教えない

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述而第七_09

子食於有喪者之側
未嘗飽也
子於是日哭
則不歌
しもあるもののかたわらにしょくすれば
いまだかつてあかざるなり
しこのひにおいてこくすれば
すなわちうたわず
孔子は喪中の人の側で
腹いっぱい食べることなく
葬式で声を挙げて泣くと
その日は歌わなかった

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述而第七_10

子謂顏淵曰
用之則行
舍之則藏
唯我與爾有是夫
子路曰
子行三軍
則誰與
子曰
暴虎馮河
死而無悔者
吾不與也
必也臨事而懼
好謀而成者也
しがんえんにいいていわく
これをもちうればすなわちおこない
これをすつればすなわちかくる
ただわれとなんじとのみこれあるかな
しろいわく
しさんぐんをやらば
すなわちたれとともにせん
しいわく
ぼうこひょうがし
ししてくいなきものは
われともにせざるなり
かならずやことにのぞみておそれ
はかりごとをこのみてなさんものなり
孔子が顔淵に言った
重く用いられれば全力を尽くし
用いられなければ隠者として引き篭もる
この様な生き方ができるのはお前と私くらいだ
子路が言った
孔子が大軍を率いられるとしたら
誰を副官として任命しますか?
孔子が言った
虎と格闘したり黄河を泳いで渡るような
向こう見ずな者は
任命しないな
計画的に事を成す
慎重な者を任命する

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述而第七_11

子曰
富而可求也
雖執鞭之士
吾亦爲之
如不可求
從吾所好
しいわく
とみにしてもとむべくんば
しつべんのしといえども
われまたこれをなさん
もしもとむべからずんば
わがこのむところにしたがわん
孔子が言った
正当な手段で富が手に入るならば
鞭を使って人々を追い払う
露払いの役を、私はしてもよい
そうでなければむしろ
自分の好きな生き方をしたい

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述而第七_12

子之所愼



しのつつししむところは
さいと
せんと
しつ
孔子は慎重に対処した
祭祀のための斎戒
戦争
病気については

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述而第七_13

子在齊聞韶
三月不知肉味

不圖爲樂之至於斯也
しせいにありてしょうをきく
さんげつにくのあじをしらず
いわく
はからざりきがくをつくることのここにいたらんとは
孔子が斉にいる時に韶の音楽を聞いて感動し
三ヶ月間、肉の味が解らない程だった
孔子が言った
音楽がこの様な高みに達しようとは想像もしなかった

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述而第七_14

冉有曰
夫子爲衞君乎
子貢曰

吾將問之
入曰
伯夷叔齊
何人也

古之賢人也

怨乎

求仁而得仁
又何怨
出曰
夫子不爲也
ぜんゆういわく
ふうしはえいくんをたすけんか
しこういわく
だく
われまさにこれをとわんとすと
いりていわく
はくいしゅくせいは
なんぴとぞや
いわく
いにしえのけんじんなり
いわく
うらみたるか
いわく
じんをもとめてじんをえたり
またなにをかうらみん
いでていわく
ふうしはたすけざるなり
冉有が言った
先生は衛公を助けるでしょうか?
子貢が言った
そうですね
私もそれが知りたかったところです
子貢が孔子の部屋に入り尋ねた
伯夷・叔斉は
どのような人物ですか?
孔子が言った
古代の賢人だ
子貢が言った
彼らは君主の座を辞退して後悔しましたか?
孔子が言った
仁を為そうとして仁を得たのだ
どうして後悔などしようか
子貢は退出し、冉有に言った
先生は衛公を助けないでしょう

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述而第七_15

子曰
飯疏食飮水
曲肱而枕之
樂亦在其中矣
不義而富且貴
於我如浮雲
しいわく
そしをくらいみずをのみ
ひじをまげてこれをまくらとす
たのしみまたそのうちにあり
ふぎにしてとみかつたっときは
われにおいてふうんのごとし
孔子が言った
粗末な食事を食べて
肘を枕に眠る
そんな生活の中にも喜びはある
不正に金を儲けて高い地位を得る
そんな生き方は私にとっては浮雲のようだ

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述而第七_16

子曰
加我數年
五十以學易
可以無大過矣
しいわく
われにすうねんをくわえ
ごじゅうにしてもってえきをまなばば
もってたいかなかるべし
孔子が言った
私がもう少し年を重ねて
50歳になった後で易経を学び直せば
大きな過ちなどしなくなるだろう

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述而第七_17

子所雅言詩書
執禮皆雅言也
しのがげんするところはししょ
しつれいはみながげんなり
孔子は詩経・書経を読まれる時
儀式において文書を読み上げられる時には正しい発音で発声された

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述而第七_18

葉公問孔子於子路
子路不對
子曰
女奚不曰
其爲人也
發憤忘食
樂以忘憂
不知老之將至云爾
しょうこうこうしをしろにとう
しろこたえず
しいわく
なんじなんぞいわざる
そのひととなりや
いきどおりをはっしてしょくをわすれ
たのしみてもってうれいをわすれ
おいのまさにいたらんとするをしらざるのみと
葉県の長官が子路に孔子の人柄を尋ねた
子路は返答しなかった
孔子が言った
あなたはどうして返答しなかった?
こう言ってやればよかった
孔子は学問に熱中するあまり食事も忘れ
疑問が解決すればそれまでの苦労も忘れられます
ご自分の年齢を忘れられている程ですと

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述而第七_19

子曰
我非生而知之者
好古敏以
求之者也
しいわく
われはうまれながらにしてこれをしるものにあらず
いにしえをこのみびんにしてもって
これをもとめしものなり
孔子が言った
私は生まれた時に多くを知っていなかった
古代の英知を学ぶのが好きなだけで
学問に没頭しているだけに過ぎない

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述而第七_20

子不語怪力亂神
しかい・りょく・らん・しんをかたらず
孔子は怪異・暴力・猥褻・霊的な事柄を語らなかった

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述而第七_21

子曰
三人行
必有我師焉
擇其善者而從之
其不善者而改之
しいわく
さんにんおこなわば
かならずわがしあり
そのよきものをえらびてこれにしたがい
そのよからざるものはこれをあらたむ
孔子が言った
私とあと二人の人物がいたならば
私は必ず師とすべき人を見出せる
善い人の良いところを見習い
善くない人の悪いところを自分にあてはめて反省する

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述而第七_22

子曰
天生徳於予
桓魋其如予何
しいわく
てんとくをわれにしょうぜり
かんたいそれわれをいかんせん
孔子が言った
私は天によって徳を授かった身だ
どうして桓魋が私をどうにかできようか

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述而第七_23

子曰
二三子以我爲隱乎
吾無隱乎爾
吾無行而
不與二三子者
是丘也
しいわく
にさんしわれをもってかくせりとなすか
われかくすことなきのみ
われはおこなうとして
にさんしとともにせざるものなし
これきゅうなり
孔子が言った
あなた達は私が何か隠し事をしていると思うか?
私はあなた達に秘密は持っていない
常に知識を分かち合っている
あなた達とともに行わないことはない
それが私なのだ

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述而第七_24

子以四教
文行忠信
しはしをもっておしう
ぶん・こう・ちゅう・しん
孔子は四つの大切な事を教えてくれた
読書、実践、誠実、信義

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述而第七_25

子曰
聖人吾不得而見之矣
得見君子者
斯可矣
子曰
善人吾不得而見之矣
得見有恒者
斯可矣
亡而爲有
虚而爲盈
約而爲泰
難乎有恒矣
しいわく
せいじんはわれえてこれをみず
くんししゃをみるをえば
ここにかなり
しいわく
ぜんにんはわれえてこれをみず
つねあるものをみるをえば
ここにかなり
なくしてありとなし
むなしくしてみてりとなし
やくにしてたいなりとなす
かたいかなつねあること
孔子が言った
聖人に会ったことはないが
人格者に会うことが出来れば
それで十分だ
孔子が言った
生まれつきの善人に会ったことはないが
満足を知る人に会うことが出来れば
それで十分だ
その人物は物が無くても有る様に豊かで
財産なくても心が満たされていて
貧しくてものびやかに暮らす
しかしその様な人物に会うのは難しい

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述而第七_26

子釣而不綱
弋不射宿
しつりしてこうせず
よくしてしゅくをいず
孔子は釣りを楽しんだが網は用いなかった
狩りを楽しんだが巣の中の鳥は射なかった

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述而第七_27

子曰
蓋有不知而作之者
我無是也
多聞擇其善者而從之

多見而識之
知之次也
しいわく
けだししらずしてこれをつくるものあらん
われはこれなきなり
おおくききてそのよきものをえらびてこれにしたがい
おおくみてこれをしるすは
しるのつぎなり
孔子が言った
十分な知識も無く自説を創作する人がいる
私は決してその様な事はしない
色々な話を聞いて有益なものを選んで従う

多くの書物を読んで記憶しておく
これらは知識のまた別の形の一つだ

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述而第七_28

互郷難與言
童子見
門人惑
子曰
與其進也
不與其退也
唯何甚
人聾憤平
與其鰐
不保其往也
ごきょうともにいいがたし
どうじまみゆ
もんじんまどう
しいわく
そのすすむにくみするなり
そのしりぞくにくみせざるなり
ただなんぞはなはだしきや
ひとおのれをきよくしてもってすすまば
そのきよきにくみするなり
そのおうをほせざるなり
互郷という風評の悪い村があった
その村の少年が孔子に会いたいと来た
孔子の弟子たちは嫌な顔をした
孔子が言った
少年は自分を向上させるためやって来た
堕落するためではない
何の問題があるか
清く純真な心で尋ねてきた者の
その心を信じる
帰ったあとで良い人となれるかは彼次第だ

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述而第七_29

子曰
仁遠乎哉
我欲仁
斯仁至矣
しいわく
じんとおからんや
われじんをほっすれば
ここにじんいたる
孔子が言った
仁は遠くにあるのだろうか?
我々が仁を欲すれば
すぐ隣にあるのが仁なのだ

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述而第七_30

陳司敗問
昭公知禮乎
孔子曰
知禮
孔子退
揖巫馬期而進之曰
吾聞君子不黨
君子亦黨乎
君取於呉
爲同姓
謂之呉孟子
君而知禮
孰不知禮
巫馬期以告
子曰
丘也幸
苟有過
人必知之
ちんのしはいとう
しょうこうはれいをしれるか
こうしいわく
れいをしれり
こうししりぞく
ふばきをゆうしてこれをすすめていわく
われきくくんしはとうせずと
くんしもまたとうするか
きみごにめとり
どうせいたり
これをごもうしとおもえり
きみにしてれいをしらば
たれかれいをしらざらん
ふばきもってつぐ
しいわく
きゅうやさいわいなり
いやしくもあやまちあらば
ひとかならずこれをしる
陳の国の司法長官が尋ねた
昭公は礼節をわきまえたお方でしたか?
孔子が言った
はい礼節をわきまえていました
孔子が部屋を退出された後
長官は側にいた巫馬期を呼び寄せて言った
人格者は身びいきをしてはならない
時には人格者でも身びいきをするようだ
昭公は呉から妻をめとった
妻が同姓であったため
呉孟子と呼んでごまかしていた
この様な人が礼節をわきまえているならば
誰でも礼節をわきまえていることになる
巫馬期が孔子にこのことを告げた
孔子が言った
私はなんと幸せ者なのだろう
もし私が間違いを犯しても
誰かがそれを正してくれる

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述而第七_31

子與人歌而善
必使反之
而後和之
しひととうたいてよければ
かならずこれをかえさしめて
しかるのちにこれにわす
孔子は誰かが善く歌った時には
必ずもう一度歌ってもらい
その後で一緒に合唱された

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述而第七_32

子曰
文莫吾猶人也
躬行君子
則吾未之有得
しいわく
ぶんばくはわれなおひとのごときなり
くんしをきゅうこうすることは
すなわちわれいまだこれをうることあらず
孔子が言った
学問では私はそれなりの自信を持っているが
人格者の実践は
まだまだ自信を持つには至らない

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述而第七_33

子曰
若聖與仁
則吾豈敢
抑爲之不厭
誨人不倦
則可謂云爾已矣
公西華曰
正唯
弟子不能學也
しいわく
せいとじんとのごときは
すなわちわれあにあえてせんや
そもそもこれをなしていとわず
ひとをおしえてうまざるは
すなわちしかいうというべきのみ
こうせいかいわく
まさにこれ
ていしまなぶあたわざるなり
孔子が言った
聖人や仁者の様なことは
私にはとても出来ない
それらの道を追い求めて
飽きることなく人々に教えることだけだ
私に出来るのは
公西華が言った
それこそまさに
我ら弟子たちにはとても真似できぬことです

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述而第七_34

子疾病
子路請禱
子曰
有諸
子路對曰
有之
誄曰
禱爾于上下神祇
子曰
丘之禱久矣
しのやまいへいす
しろいのらんとこう
しいわく
これありや
しろこたえていわく
これあり
るいにいわく
なんじをしょうかのしんぎにいのると
しいわく
きゅうのいのることひさし
孔子が病になった
子路が孔子のために祈祷をしたいと言った
孔子が言った
祈祷をする根拠はあるか?
子路が答えた
はい
いにしえの追悼文には
君がため天地の神に祈りを捧げん
孔子が言った
私は普段から天地の神に祈りを捧げてきた

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述而第七_35

子曰
奢則不孫
儉則固
與其不孫也寧固
しいわく
しゃなればすなわちふそん
けんなればすなわちこなり
そのふそんならんよりはむしろこなれ
孔子が言った
贅沢に暮らすと傲慢になる
質素に暮らすと頑固になる
傲慢になるより頑固になる方がよい

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述而第七_36

子曰
君子坦蕩蕩
小人長戚戚
しいわく
くんしはたんとしてとうとうたり
しょうじんはとこしなえにせきせきたり
孔子が言った
人格者は穏やかでのんびりしている
非人格者は落ち着きがなく心配事が絶えない

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述而第七_37

子温而
威而不猛
恭而安
しはおんにしてはげしく
いありてたけからず
きょうにしてやすし
孔子は穏やかでありながら情熱的で
威厳がありながら粗暴な所がなく
恭しくありながら安らかであった



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