論語 里仁第四(りじん) 26文の漢文と現代訳

論語全文(漢文、訳) : 2014.08.30 Saturday

ここでは論語の第四編 里仁第四の漢文、読み仮名、現代語訳を紹介します。


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里仁第四_01

子曰
里仁爲美
擇不處仁
焉得知
しいわく
りはじんなるをよしとなす
えらんでじんにおらずんば
いずくんぞちなるをえん
孔子が言った
仁愛の心に重きを置くことは美しいことだ
自分の利益のために仁愛を軽んじるなら
賢明な人間だとは決していえない

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里仁第四_02

子曰
不仁者
不可以久處約
不可以長處樂
仁者安仁
知者利仁
しいわく
ふじんしゃは
もってひさしくやくにおるべからず
もってながくらくにおるべからず
じんしゃはじんにやすんじ
ちしゃはじんをりす
孔子が言った
仁愛の心を持たぬ人々は
みじめな生活に耐えられない
安楽な生活を続けられない
仁愛の心を持つ人々は安らいだ生活をし
知恵ある人々は仁愛の利点を知っている

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里仁第四_03

子曰
惟仁者能好人
能惡人
しいわく
ただじんしゃのみよくひとをこのみ
よくひとをにくむ
孔子が言った
仁愛の心を持つものだけが人を愛し
憎むことができる

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里仁第四_04

子曰
苟志於仁矣
無惡也
しいわく
いやしくもじんにこころざせば
あしきことなきなり
孔子が言った
仁者であろうとしている人は
悪いことなどしない

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里仁第四_05

子曰
富與貴
是人之所欲也
不以其道得之
不處也
貧與賤
是人之所惡也
不以其道得之
不去也
君子去仁
惡乎成名
君子
無終食之間違仁
造次必於是
巓沛必於是
しいわく
とみとたっときとは
これひとのほっするところなり
そのみちをもってせざれば
これをうともおらざるなり
ひんとせんとは
これひとのにくむところなり
そのみちをもってせざれば
これをうともさらざるなり
くんしはじんをさりて
いずくにかなをなさん
くんしは
しゅうしょくのかんもじんにたがうことなく
ぞうじにもかならずここにおいてし
てんぱいにもかならずここにおいてす
孔子が言った
富と名誉は
人々が求めるものだ
不正でこれらを得たなら
それらを受け入れてはならない
貧困と蔑みは
人々が嫌うものだ
自らの過失によってこれらを得たなら
それらを受け入れなければならない
人格者ではない
仁愛の心を持たぬ者は
人格者は
食事中でも仁愛を持って行動する
あわただしいときにも仁を念頭においている
つまずいて倒れるときも仁を念頭においている

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里仁第四_06

子曰
我未見好仁者
惡不仁者
好仁者
無以尚之
惡不仁者
其爲仁矣
不使不仁者加乎其身
有能一日
用其力於仁矣乎
我未見力不足者
蓋有之矣
我未之見也
しいわく
われいまだじんをこのむもの
ふじんをにくむをみず
じんをこのむものは
もってこれにくわうるなし
ふじんをにくむものは
それじんをなさん
ふじんしゃをしてそのみにくわえしめず
よくいちじつも
そのちからをじんにもちうることあらんか
われいまだちからのたらざるものをみず
けだしこれあらん
われいまだこれをみざるなり
孔子が言った
私は今まで仁徳を愛し
不徳を憎む者を見たことが無い
仁徳を愛する者は
それだけで人として十分といえる
不徳を憎む者は
仁徳に務めようと考え
不徳な行いをする人たちから遠ざかる
もし努力するなら
人が仁徳にかなう様に
仁徳に適うことが出来ると思う
非常に困難だといわれるかもしれないが
私はそうは思わない

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里仁第四_07

子曰
人之過也
各於其黨
觀過斯知仁矣
しいわく
ひとのあやまちや
おのおのそのとうにおいてす
あやまちをみてここにじんをしる
孔子が言った
人はよく過ちを犯す
その過ちを観察すれば
その人の人柄が理解できる

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里仁第四_08

子曰
朝聞道
夕死可矣
しいわく
あしたにみちをきかば
ゆうべにしすともかなり
孔子が言った
朝に正しい道を知ることが出来たら
その日の夕方に死んでも構わない

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里仁第四_09

子曰
士志於道
而恥惡衣惡食者
未足與議也
しいわく
しみちにこころざして
あくいあくしょくをはずるものは
いまだともにはかるにたらざるなり
孔子が言った
学問の道を志しながら
粗末な服や食事を恥じる人間は
学問を語り合うのに値しない

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里仁第四_10

子曰
君子之於天下也
無適也
無莫也
義之與比
しいわく
くんしのてんかにおけるや
てきなきなり
ばくなきなり
ぎにこれともにひす
孔子が言った
人格者は天下の人に対するとき
仇敵もなければ
馴れ合いもなく
正義の人とだけ親しみ合う

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里仁第四_11

子曰
君子懷徳
小人懷土
君子懷刑
小人懷惠
しいわく
くんしとくをおもえば
しょうじんはどをおもい
くんしけいをおもえば
しょうじんはけいをおもう
孔子が言った
人格者は徳を求め
非人格者は土地を求める
人格者は刑の効果を思う
非人格者は自分の利益のみを思う

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里仁第四_12

子曰
放於利而行
多怨
しいわく
りによりておこなえば
うらみおおし
孔子が言った
自分の利益のために行動すれば
人々の恨みをかう

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里仁第四_13

子曰
能以禮讓爲國乎
何有
不能以禮讓爲國
如禮何
しいわく
よくれいじょうをもってくにをおさめんか
なにかあらん
よくれいじょうをもってくにをおさめずんば
れいをいかんせん
孔子が言った
譲り合いの心で統治すれば国家は
治まる
譲り合いの心が欠けた形式的な礼儀などに
何の意味があるか

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里仁第四_14

子曰
不患無位
患所以立
不患莫己知
求爲可知也
しいわく
くらいなきをうれえず
たつゆえんをうれう
おのれをしることなきをうれえず
しらるべきをなすをもとむるなり
孔子が言った
地位が低い事を思い悩むのならば
どうしたら高い地位を得られるか考えることだ
名声が無い事を思い悩むのならば
どうしたら名声が得られるのか考えることだ

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里仁第四_15

子曰
參乎
吾道一以貫之
曾子曰

子出
門人問曰
何謂也
曾子曰
夫子之道
忠恕而已矣
しいわく
しんや
わがみちはいつもってこれをつらぬく
そうしいわく

しいず
もんじんといていわく
なんのいいぞや
そうしいわく
ふうしのみちは
ちゅうじょのみ
孔子が言った
曾子(参)よ
私の人生は一つの事を貫くためにある
曾子が言った
はい
孔子が出て行かれた
弟子の一人が尋ねた
どういう意味でしょうか?
曾子が言った
孔子の人生は
真心を貫く事にあるのだ

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里仁第四_16

子曰
君子喩於義
小人喩於利
しいわく
くんしはぎにさとり
しょうじんはりにさとる
孔子が言った
人格者は正しさを求め
非人格者は利益を求める

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里仁第四_17

子曰
見賢思齊焉
見不賢而内自省也
しいわく
けんをみてはひとしからんことをおもい
ふけんをみてはうちにみずからかえりみるなり
孔子が言った
賢者に出会ったら良いお手本として見習い
愚者に出会ったら悪いお手本として反省しなさい

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里仁第四_18

子曰
事父母幾諫
見志不從
又敬不違
勞而不怨
しいわく
ふぼにつかうるにはきかんす
こころざしのしたがわざるをみては
またけいしてたがわず
ろうしてうらみず
孔子が言った
両親に忠告する時は言葉を選びなさい
忠告が聞き入れられなかったとしても
無理強いはせず
怒ったり恨んだりしてはならない

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里仁第四_19

子曰
父母在
不遠遊
遊必有方
しいわく
ふぼいませば
とおくあそばず
あそぶにかならずほうあり
孔子が言った
両親が存命中は
遠くに出かけて留守にしてはならない
出かけるにしても旅程を告げてからにしなさい

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里仁第四_20

子曰
三年
無改於父之道
可謂孝矣
しいわく
さんねん
ちちのみちをあらたむることなきは
こうというべし
孔子が言った
3年間
父親の死後、父親のやり方を変えなければ
孝行な人間である

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里仁第四_21

子曰
父母之年
不可不知也
一則以喜
一則以懼
しいわく
ふぼのとしは
しらざるべからざるなり
いつにはすなわちもってよろこび
いつにはすなわちもっておそる
孔子が言った
両親の年齢を
把握していなければならない
一つは長寿を喜び
もう一つは健康を気遣うために

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里仁第四_22

子曰
古者
言之不出
恥躬之不逮也
しいわく
いにしえ
げんのいださざるは
みのおよばざるをはずればなり
孔子が言った
昔の人々が
寡黙であったのは
言葉が行動を伴わない事を恥としたからだ

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里仁第四_23

子曰
以約失之者鮮矣
しいわく
やくをもってこれをうしなうものはすくなし
孔子が言った
何事も節度を心がければ失敗が減る

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里仁第四_24

子曰
君子欲訥於言
而敏於行
しいわく
くんしはげんにとつにして
おこないにびんならんことをほっす
孔子が言った
人格者は言葉を控え目にして
行動を機敏にしたいと思う

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里仁第四_25

子曰
徳不孤
必有鄰
しいわく
とくはこならず
かならずとなりあり
孔子が言った
徳があれば孤立しない
必ず仲間がいるものだ

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里仁第四_26

子游曰
事君數
斯辱矣
朋友數
斯疏矣
しゆういわく
きみにつかえてしばしばすれば
ここにはずかしめらる
ほうゆうにしばしばすれば
ここにうとんぜらる
子游が言った
主君に対して何度も注意をすると
主君の寵愛を失う
友人に対して何度も注意をすると
友情を失う



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