論語 学而第一(がくじ)

論語全文(漢文、訳) : 2014.08.28 Thursday

ここでは論語の第一編 学而第一(がくじ)の漢文、読み仮名、現代語訳を紹介します。


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学而第一_01

子曰
學而時習之
不亦説乎
有朋自遠方來
不亦樂乎
人不知而不慍
不亦君子乎
しいわく
まなびてときにこれをならう
またよろこばしからずや
ともあり、えんぽうよりきたる
またたのしからずや
ひとしらずしていきどおらず
またくんしならずや
孔子が言った
学んだことを復習するのは
喜ばしいことだ
友人が、遠くから訪ねてくれるのは
楽しいことだ
他人に理解されなくても気にしないのは
立派なことだ

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学而第一_02

有子曰
其爲人也孝弟
而好犯上者鮮矣
不好犯上
而好作亂者
未之有也
君子務本
本立而道生
孝弟也者
其爲仁之本與
ゆうしいわく
そのひととなりやこうていにして
かみをおかすをこのむものはすくなし
かみをおかすことをこのまずして
らんをなすをこのむものは
いまだこれあらざるなり
くんしはもとをつとむ
もとたちてみちしょうず
こうていなるものは
それじんのもとたるか
有子が言った
家族を大切にしていて
目上の人に逆らう人は少ない
目上の人に逆らうことを好まないで
混乱を好む人は
一人もいない
人格者は基礎を大切にするものだ
基礎をしっかりして初めて道がうまれる
家族を愛することが
仁徳の基礎である

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学而第一_03

子曰
巧言令色
鮮矣仁
しいわく
こうげんれいしょく
すくなしじん
孔子が言った
言葉巧みにお世辞をいい
愛想笑いの上手い人に人格者はいない

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学而第一_04

曾子曰
吾日三省吾身
爲人謀而不忠乎
與朋友交而不信乎
傳不習乎
そうしいわく
われひにみたびわがみをかえりみる
ひとのためにはかりてちゅうならざるか
ほうゆうとまじわりてしんならざるか
ならわざるをつたうるか
曾子が言った
私は一日に三度、自分のおこないを反省する
他人のために真心をこめて考えたかと
友人と誠実に付き合えたかと
よく知らないことを他人に教えていないかと

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学而第一_05

子曰
道千乘之國
敬事而信
節用而愛人
使民以時
しいわく
せんじょうのくにをおさむるには
ことをつつしみてしんあり
ようをせっしてひとをあいし
たみをつかうにときをもってす
孔子が言った
国を統治するには
事業を慎重におこない信頼を得て
経費を節約して人々を愛し
人々を使役させるには時節を選ぶ必要がある

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学而第一_06

子曰
弟子入則孝
出則弟
謹而信
汎愛衆而親仁
行有餘力
則以學文
しいわく
ていしいりてはすなわちこう
いでてはすなわちてい
つつしみてしんあり
ひろくしゅうをあいしてじんにしたしみ
おこないてよりょくあらば
すなわちもってぶんをまなべ
孔子が言った
若者は家で親孝行をして
外では年長者を敬わなければならない
慎み深く誠実で
区別なく人々を愛して人格者と親しくし
彼らを手本にしなければならない
その後に余力があれば学問をすべきである

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学而第一_07

子夏曰
賢賢易色
事父母能竭其力
事君能致其身
與朋友交
言而有信
雖曰未學
吾必謂之學矣
しかいわく
けんをけんとしていろをかえ
ふぼにつかえてはよくそのちからをつくし
きみにつかえてよくそのみをいたし
ほうゆうとまじわり
いいてしんあらば
いまだまなばずというといえども
われはかならずこれをまなびたりといわん
子夏が言った
自然に賢い人を認め
真摯に両親に尽くし
主人に対して献身し
友人に対して
誠実であれば
学問を始めてすらいなくとも
私はあなたをよく学んだ人間とみなす

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学而第一_08

子曰
君子不重則不威
學則不固
主忠信
無友不如己者
過則勿憚改
しいわく
くんしおもからざればすなわちいあらず
まなべばすなわちこならず
ちゅうしんをしゅとし
おのれにしかざるものをともとすることなかれ
あやまちてはすなわちあらたむるにはばかることなかれ
孔子が言った
君子は重々しくなければ威厳を失い
学べば偏見を持たない
真心と誠実さに重きを置き
人格的に劣るものたちと付き合ってはならない
そして自らに誤りがあれば正すべきである

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学而第一_09

曾子曰
愼終追遠
民徳歸厚矣
そうしいわく
おわりをつつしみとおきをおえば
たみのとくあつきにきせん
曾子が言った
葬式・先祖の供養が手厚く行われれば
民衆の徳は向上する

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学而第一_10

子禽問於子貢曰
夫子至於是邦也
必聞其政
求之與
抑與之與
子貢曰
夫子温良恭儉譲
以得之
夫子之求之也
其諸異乎人之求之與
しきんしこうにといていわく
ふうしのこのくににいたるや
かならずそのまつりごとをきく
これをもとめたるか
そもそもこれをあたえたるか
しこういわく
ふうしはおん・りょう・きょう・けん・じょう
もってこれをえたり
ふうしのこれをもとむるや
それこれひとのこれをもとむるとことなるか
子禽が子貢に尋ねた
孔子が各国を訪れるたび
必ず政治の相談をうける
これは孔子が求めたことですか?
それとも彼らが求めたことですか?
子貢が答えた
孔子は温・良・恭・倹・譲の徳を身につけている
自然にそうなるのだ
彼らの方から孔子に会うことを望んでいる
孔子が求めれる方法は他の人々とは違う

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学而第一_11

子曰
父在觀其志
父沒觀其行
三年無改於父之道
可謂孝矣
しいわく
ちちいませばそのこころざしをみ
ちちぼっすればそのおこないをみる
さんねんちちのみちをあらたむることなきは
こうというべし
孔子が言った
父親が生きているうちは、その志で評価すべき
父親の死後は、その行為で評価すべき
父親の死後3年間、父親のやり方を変えなければ
親孝行な人間である

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学而第一_12

有子曰
禮之用
和爲貴
先王之道斯爲美
小大由之
有所不行
知和而和
不以禮節之
亦不可行也
ゆうしいわく
れいのようは
わをたっとしとなす
せんおうのみちもこれをびとなす
しょうだいこれによるも
おこなわれざるところあり
わをしりてわするも
れいをもってこれをせっせざれば
またおこなうべからざるなり
有子が言った
礼儀の意義は
社会の調和を保つこと
古代の王たちの美徳も、この点にある
しかし例え調和があっても
秩序が保たれるとは限らない
調和を知り、調和の中で生きても
礼儀によって
秩序は保たれるべき

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学而第一_13

有子曰
信近於義
言可復也
恭近於禮
遠恥辱也
因不失其親
亦可宗也
ゆうしいわく
しんぎにちかければ
げんふむべきなり
きょうれいにちかければ
ちじょくにとおざかる
よることそのしんをわざれば
またたっとぶべきなり
有子が言った
信頼が正義にかなうとき
言葉通りに行動できる
うやうやしさが礼儀に伴うならば
侮辱されることを避けられる
人選を間違わなければ
その人に頼れる

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学而第一_14

子曰
君子食無求飽
居無求安
敏於事而愼於言
就有道而正焉
可謂好學也已
しいわく
くんしはしょくにあくことをもとむるなく
きょにやすきをもとむるなし
ことにびんにしてげんにつつしみ
ゆうどうについてただす
がくをこのむというべきのみ
孔子が言った
人格者は貪欲に食を求めたり
安楽な暮らしを求めたりしない
事にあたれば、鋭敏で、言葉を慎重に選ぶ
より徳の高い人に従い、自らの行いを正す
これらすべて行うのが、学問を好む人である

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学而第一_15

子貢曰
貧而無諂
富而無驕
何如
子曰
可也
未若貧而樂
富而好禮者也
子貢曰
詩云
如切如磋
如琢如磨
其斯之謂與
子曰
賜也
始可與言詩已
矣告諸往而
知來者也
しこういわく
まずしくしてへつらうことなく
とみておごることなきは
いかん
しいわく
かなり
いまだまずしくしてたのしみ
とみてれいをこのむものにしかざるなり
しこういわく
しにいう
せっするがごとくさするがごとく
たくするがごとくまするがごとしと
それこれをこれいうか
しいわく
しや
はじめてともにしをいうべきのみ
これにおうをつげて
らいをしるものなり
子貢が言った
貧しくて媚びない人
裕福で威張らない人は
(人格として)どうか
孔子が言った
良い
貧しくて学問を楽しむ人
裕福で礼儀を身につけた人にはかなわない
子貢が言った
詩経で
切するが如く磋するが如く
琢するが如く磨するが如く
と言っているのは、この事ですか
孔子が言った
子貢よ
これから詩経について語り合うことができる
あなたは一つのことがわかると
すぐ次のことがわかる人物だ

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学而第一_16

子曰
不患人之不己知
患不知人也
しいわく
ひとのおのれをしらざるをうれえず
ひとをしらざるをうれうるなり
孔子が言った
他人が自分を理解してくれない事を気に病むより
自分が他人を理解出来ていない事を気にしなさい



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