論語 先進第十一 26文の漢文と現代訳

論語全文(漢文、訳) : 2014.09.04 Thursday

ここでは論語の第十一編 先進第十一の漢文、読み仮名、現代語訳を紹介します。


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先進第十一_01

子曰
先進於禮樂
野人也
後進於禮樂
君子也
如用之
則吾從先進
しいわく
せんしんのれいがくにおけるや
やじんなり
こうしんのれいがくにおけるや
くんしなり
もしこれをもちうれば
すなわちわれはせんしんにしたがわん
孔子が言った
先輩は礼楽に対して
野蛮である
後輩は礼楽に対して
君子である
いずれかを用いるとすれば
わたしは先輩たちの態度に従う

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先進第十一_02

子曰
從我於陳蔡者
皆不及門也
しいわく
われにちんさいにしたがいしものは
みなもんにおよばざるなり
孔子が言った
私に付き添い陳や蔡に行った者は
みな私の元を去ってしまった

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先進第十一_03

徳行
顏淵
閔子騫
冉伯牛
仲弓
言語
宰我
子貢
政事
冉有
季路
文學
子游
子夏
とっこうには
がんえん
びんしけん
ぜんはくぎゅう
ちゅうきゅう
げんごには
さいが
しこう
せいじには
ぜんゆう
きろ
ぶんがくには
しゆう
しか
徳の実践に優れているのは
顔淵
閔子騫
冉伯牛
仲弓だ
弁舌に優れているのは
宰我
子貢だ
政務に優れているのは
冉有
季路だ
文学に優れているのは
子游
子夏だ

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先進第十一_04

子曰
回也
非助我者也
於吾言
無所不説
しいわく
かいや
われをたすくるものにあらざるなり
わがげんにおいて
よろこばざるところなし
孔子が言った
顔回は
議論して私の説を高める者ではない
私の意見には
彼は反論しないから

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先進第十一_05

子曰
孝哉
閔子騫
人不間於其父母昆弟之言
しいわく
こうなるかな
びんしけん
ひとそのふぼこんていのげんをかんせず
孔子が言った
なんて親孝行な人間だろう
閔子騫は
誰一人として彼の父母兄弟の悪口を言うものがいない

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先進第十一_06

南容
三復白圭
孔子
以其兄之子妻之
なんよう
みたびはくけいをふくす
こうし
そのあにのこをもってこれにめあわす
南容は詩を口ずさんでいた
白い玉の傷を磨いて直す事ができる
孔子は
彼を見込んで兄の娘を嫁がせた

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先進第十一_07

季康子問
弟子
孰爲好學
孔子對曰
有顏回者
好學
不幸短命死矣
今也則亡
きこうしとう
ていし
たれかがくをこのむとなす
こうしこたえていわく
がんかいなるあり
がくをこのめり
ふこうたんめいにしてしせり
いまやすなわちなし
季康子が尋ねた
あなたの弟子のうち
学問を好むのは誰ですか?
孔子は答えた
顔回という者がおりました
学問が好きでしたが
残念ながら若くして亡くなり
今はもう居りません

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先進第十一_08

顏淵死
顏路請子之車
以爲之椁
子曰
才不才
亦各言其子也
鯉也死
有棺而無椁

不徒行以爲之椁
以吾從大夫之後
不可徒行也
がんえんしす
がんろしのくるまをもって
これがかくをつくらんとこう
しいわく
さいもふさいも
またおのおのそのこをいうなり
りやしせしとき
かんありてかくなし
われと
こうしてもってこれがかくをつくらざりしは
われたいふのしりえにしたがい
とこうすべからざるをもってなり
顔淵が亡くなった時
顔路が孔子の馬車を
譲って欲しいと願い出た
孔子が言った
才があろうと愚かであろうと
自分の子供を愛さぬ親は居ない
息子の鯉が死んだとき
彼に外棺を作ってやれなかった
私は
外棺の為に馬車を手放せなかった
大夫を末席ながら担っているため
歩いて出仕は出来ない事だからだ

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先進第十一_09

顏淵死
子曰

天喪予
天喪予
がんえんしす
しいわく
ああ
てんわれをほろぼせり
てんわれをほろぼせり
顔淵が亡くなった時に
孔子が言った
あぁ
天は私を滅ぼされた
天は私を滅ぼされた

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先進第十一_10

顏淵死
子哭之慟
從者曰
子慟矣

有慟乎
非夫人之爲慟
而誰爲
がんえんしす
しこれをこくしてどうす
じゅうしゃいわく
しどうせりと
いわく
どうするありしか
かのひとのためにどうするにあらずして
たがためにかせんと
顔淵が亡くなった時
孔子は身を震わし声を出して泣いた
側に居た弟子が言った
先生、泣かれているのですか?
孔子が言った
私は泣いている
彼の為に涙を流さずして
誰の為に涙を流すだろうか

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先進第十一_11

顏淵死
門人
欲厚葬之
子曰
不可
門人厚葬之
子曰
回也
視予猶父也
予不得視猶子也
非我也
夫二三子也
がんえんしす
もんじん
あつくこれをほうむらんとほっす
しいわく
ふかなりと
もんじんあつくこれをほうむる
しいわく
かいや
われをみることなおちちのごとくせり
われはみることなおこのごとくするをえざるなり
われにはあらざるなり
かのにさんしなり
顔淵が亡くなった時
他の弟子達が
葬儀を手厚く執り行いたいと申し出た
孔子が言った
行ってはならない
弟子達は葬儀を手厚く執り行った
孔子が言った
顔淵は
まるで父親の様に私を慕った
私は息子の様にしてやれなかった
私ではなく
他の弟子達が彼の為に何かしてやった

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先進第十一_12

季路問事鬼神
子曰
未能事人
焉能事鬼

敢問死

未知生
焉知死
きろきしんにつかうることをとう
しいわく
いまだひとにつかうることあたわず
いずくんぞよくきにつかえん
いわく
あえてしをとう
いわく
いまだせいをしらず
いずくんぞしをしらん
季路が鬼神(霊魂)に仕える方法を尋ねた
孔子が答えた
まだ人に仕える事さえ出来ないのに
どうして霊魂に仕える事ができようか
季路は
死について尋ねた
孔子が言った
まだ生について理解していないのに
どうして死を理解できるだろうか

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先進第十一_13

閔子侍側
譖詛〔
子路
行行如也
冉有
子貢
侃侃如也
子樂
若由也不得其死然
びんしかたわらにじす
ぎんぎんじょたり
しろ
こうこうじょたり
ぜんゆう
しこう
かんかんじょたり
したのしむ
ゆうのごときはそのしをえざらん
閔子騫が孔子の側に居る時は
恭しい態度であった
子路は
武骨な態度であった
冉有と
子貢は
和やかな態度であった
孔子は彼らと過ごすことを楽しんだ
子路の様な男はまっとうな死に方ができないだろう

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先進第十一_14

魯人爲長府
閔子騫曰
仍舊貫
如之何
何必改作
子曰
夫人不言
言必有中
ろひとちょうふをつくる
びんしけんいわく
きゅうかんによらば
これをいかん
なんぞかならずしもあらためつくらん
しいわく
かのひといわず
いえばかならずあたるあり
魯の人々が国の倉庫を改築しようとした
閔子騫が言った
昔ながらの様式で建てるのは
いかがでしょうか
どうして新しい様式で建てる必要がありますか?
これを聞いた孔子が言った
彼はめったに話さないが
彼の言葉はいつも的を射ている

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先進第十一_15

子曰
由之瑟
奚爲於丘之門
門人不敬子路
子曰
由也升堂矣
未入於室也
しいわく
ゆうのしつ
なんすれぞきゅうのもんにおいてせんと
もんじんしろをけいせず
しいわく
ゆうやどうにのぼれり
いまだしつにいらざるなり
孔子が言った
子路は琴が上手くない
私の門人にしては
他の弟子は子路を尊敬しないようになった
孔子は言った
子路には宮殿に上がれる程の腕はある
ただ主君の御前で披露する程ではない

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先進第十一_16

子貢問
師與商也孰賢
子曰
師也過
商也不及

然則師愈與
子曰
過猶不及
しこうとう
しとしょうといずれかまされる
しいわく
しやすぎたり
しょうやおよばず
いわく
しからばすなわちしまされるか
しいわく
すぎたるはなおおよばざるがごとし
子貢が尋ねた
子張と子夏はどちらが優れているか?
孔子が答えた
子張にはやり過ぎる面がある
子夏には物足りない面がある
子貢が言った
それでは子張の方が優れていますか?
孔子が言った
過ぎたるは猶お及ばざるがごとし

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先進第十一_17

季氏富於周公
而求也
爲之聚斂
而附益之
子曰
非吾徒也
小子鳴鼓而攻之
可也
きししゅうこうよりもとめり
しこうしてきゅうや
これがためにしゅうれんして
これにふえきす
しいわく
わがとにあらざるなり
しょうしこをならしてこれをせめて
かなり
季孫氏は魯の君主より裕福だった
それなのに冉求は
季孫氏のために税金を徴収をして
益々季孫氏を豊かにした
孔子が言った
彼はもはや私の弟子ではない
諸君、鼓を鳴らして彼を非難して
やって欲しい

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先進第十一_18

柴也愚
參也魯
師也辟
由也喭
さいやぐ
しんやろ
しやへき
ゆうやがんなり
子羔は愚かで
曽参はのろま
子張は見栄っ張りで
子路は粗暴だ

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先進第十一_19

子曰
回也其庶乎
屢空
賜不受命
而貨殖焉
億則屢中
しいわく
かいやそれちかからんか
しばしばむなし
しはめいをうけずして
かしょくす
はかればすなわちしばしばあたる
孔子が言った
顔回は私の理想に近い
理想のため貧しい生活をしている
子貢は頼まれてもいないのに
金儲けをしている
彼の予想はよく当たる

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先進第十一_20

子張問善人之道
子曰
不踐迹
亦不入於室
しちょうぜんにんのみちをとう
しいわく
あとをふまざれば
またしつにいらず
子張が善人の取るべき道を尋ねた
孔子が言った
まず先人の歩んだ道をたどる
そうでなければ先人の域に達っせない

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先進第十一_21

子曰
論篤是與
君子者乎
色莊者乎
しいわく
ろんのあつきにこれくみせば
くんししゃか
しきそうしゃか
孔子が言った
弁舌が誠実そうに聞こえても
本当の人格者か
うわべだけの人格者か区別できない

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先進第十一_22

子路問
聞斯行諸
子曰
有父兄在
如之何其
聞斯行之
冉有問
聞斯行諸
子曰
聞斯行之
公西華曰
由也問
聞斯行諸
子曰
有父兄在
求也問
聞斯行諸
子曰
聞斯行之
赤也惑
敢問子曰
求也退
故進之
由也兼人
故退之
しろとう
きくがままにここにこれをおこなわんか
しいわく
ふけいのいますあり
これをいかんぞそれ
きくがままにここにこれをおこなわん
ぜんゆうとう
きくがままにここにこれをおこなわんか
しいわく
きくがままにここにこれをおこなえ
こうせいかいわく
ゆうやとう
きくがままにここにこれをおこなわんかと
しいわく
ふけいのいますありと
きゅうやとう
きくがままにここにこれをおこなわんかと
しいわく
きくがままにここにこれをおこなえと
せきやまどう
あえてとうしいわく
きゅうやしりぞく
ゆえにこれをすすむ
ゆうやひとをかぬ
ゆえにこれをしりぞく
子路が尋ねた
聞いたらすぐに実行すべきですか?
孔子が言った
父親や年長者がいるだろう
彼らの意見を
まずは聞きなさい
冉有が尋ねた
聞いたらすぐに実行すべきですか?
孔子が言った
すぐに実行しなさい
公西華が尋ねた
「子路が尋ねた
聞いたらすぐに実行すべきですか?」に
「孔子が言った
父親や年長者がいるだろう」と
「冉有が尋ねた
聞いたらすぐに実行すべきですか?」に
「孔子が言った
すぐに実行しなさい」と
公西華は困惑した様子で
孔子に尋ね、孔子が言った
冉有は引っ込み思案
だからうながしてやった
子路は積極的すぎる
だから抑制してやった

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先進第十一_23

子畏於匡
顏淵後
子曰
吾以女爲死矣

子在
回何敢死
しきょうにいす
がんえんおくる
しいわく
われなんじをもってしせりとなす
いわく
しいます
かいなんぞあえてしせん
匡の人々が孔子に危害を加えかけた
顔淵は遅れて合流した
孔子が言った
私はお前が死んだと思った
顔淵が言った
先生が生きている間
易々と死ねません

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先進第十一_24

季子然問
仲由冉求
可謂大臣與
子曰
吾以子
爲異之問
曾由與求之問
所謂大臣者
以道事君
不可則止
今由與求也
可謂具臣矣

然則從之者與
子曰
弑父與君
亦不從也
きしぜんとう
ちゅうゆうぜんきゅうは
だいじんというべきか
しいわく
われしをもって
ことなるをこれとうとなす
すなわちゆうときゅうとをこれとう
いわゆるだいじんとは
みちをもってきみにつかえ
ふかなればすなわちやむ
いまゆうときゅうとは
ぐしんというべし
いわく
しからばすなわちこれにしたがうものか
しいわく
ちちときみとをしいせんには
またしたがわざるなり
季子然が尋ねた
仲由と冉求は
素晴らしい家臣と言えますか?
孔子が言った
私はあなたが
もっと別の事を尋ねると思っていた
仲由と冉求ですか
素晴らしい家臣は
正道をもって主君に仕えて
かなわぬ時は職を辞する
彼らはそれもせずにいる
ただの数合わせの家臣に過ぎない
季子然が言った
彼らは言いなりになる家臣ですか?
孔子が言った
父親や主君を殺すなどの
命令には従いません

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先進第十一_25

子路使子羔
爲費宰
子曰
賊夫人之子
子路曰
有民人焉
有社稷焉
何必讀書
然後爲學
子曰
是故惡夫佞者
しろしこうをして
ひのさいたらしむ
しいわく
かのひとのこをそこなわん
しろいわく
みんじんあり
しゃしょくあり
なんぞかならずしもしょをよみて
しかるのちにがくとなさん
しいわく
このゆえにかのねいしゃをにくむ
子路が子羔を
費の長官にした
孔子が言った
未熟で学び足りない彼を駄目にする
子路が言った
かの街には人民が住んでおり
子羔は彼らを統治せねばなりません
何も本を読むばかりが
学ぶ道ではないでしょう
孔子が言った
これだから口先の上手い輩は嫌いだ

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先進第十一_26

子路

冉有
公西華
侍坐
子曰
以吾一日長乎爾
毋吾以也
居則曰
不吾知也
如或知爾
則何以哉
しろ
そうせき
ぜんゆう
こうせいか
じざす
しいわく
われいちじつなんじよりちょうぜるをもって
われをもってすることなかれ
おりてはすなわちいわく
われをしらざるなりと
もしなんじをしるものあらば
すなわちなにをもってせんや
子路
曾皙
冉有
公西華が
側に控えていた
孔子が言った
私が年長者だからと
遠慮しないでいい
あなた達はいつも嘆いている
自分達が評価されない事を
もし評価されたら
どのように報いるか
子路率爾對曰
千乘之國
攝乎大國之間
加之以師旅
因之以饑饉
由也爲之
比及三年
可使有勇
且知方也
夫子哂之
しろそつじとしてこたえていわく
せんじょうのくに
たいこくのあいだにはさまれ
これにくわうるにしりょをもってし
これによるにききんをもってす
ゆうやこれをおさめ
さんねんにおよぶころおい
ゆうありて
かつほうをしらしむべきなり
ふうしこれをわらう
子路が即座に答えた
小国が
大国に囲まれていたら
いつも大国の戦争に巻き込まれ
そのために人々が飢えている
私がそんな国を治めたら
三年以内に
人々の心に勇気を取り戻し
礼儀道理を弁えるようにする
孔子はこれを聞いて笑った
求爾何如
對曰
方六七十
如五六十
求也爲之
比及三年
可使足民
如其禮樂
以俟君子
きゅうなんじはいかん
こたえていわく
ほうろくしちじゅう
もしくはごろくじゅう
きゅうやこれをおさめ
さんねんにおよぶころおい
たみをたらしむべし
そのれいがくのごときは
もってくんしをまたん
冉有、あなたはどうですか?
冉有は答えた
六七十里四方
あるいは五六十里四方を
治める事が出来たら
三年以内に
人々の暮らしを豊かにしたいです
礼儀や音楽については
人格者に任せたいです
赤爾何如
對曰
非曰能之
願學焉
宗廟之事
如會同
端章甫
願爲小相焉
せきなんじはいかん
こたえていわく
これをよくするというにはあらず
ねがわくはまなばん
そうびょうのこと
もしくはかいどうに
たんしょうほして
ねがわくはしょうそうとならん
公西華、あなたはどうですか?
公西華が答えた
まだ自信がありません
今は学問に専念したいです
いずれは国家の祭祀か
外交に携わりたいです
礼服を着て
下位の大臣に就いて
點爾何如
鼓瑟希
鏗爾
舎瑟而作
對曰
異乎三子者之撰
子曰
何傷乎
亦各言其志也

莫春者春服既成
冠者五六人
童子六七人
浴乎沂
風乎舞雩
詠而歸
夫子喟然歎曰
吾與點也
てんなんじはいかん
しつをこすることまれなり
こうじとして
しつをおきてたつ
こたえていわく
さんししゃのせんにことなり
しいわく
なんぞいたまんや
またおのおのそのこころざしをいうなり
いわく
ぼしゅんにはしゅんぷくすでになる
かんじゃごろくにん
どうじろくしちにん
きによくし
ぶうにふうし
えいじてかえらん
ふうしきぜんとしてたんじていわく
われはてんにくみせん
曾皙、あなたはどうですか?
弾いていた瑟を
止めて下に置き
立ち上がって
答えた
私の願いは御三方とは違います
孔子が言った
遠慮しなくてよい
ただの願望だ
曾皙が言った
春の終わり頃に春服を着て
成人の友人五六人
少年六七人と一緒に
沂水に水浴びに出かけて
雨乞いの舞台で涼み
歌を歌いながら帰りたいです
孔子はこれに感心して
私の願いも曾皙と同じだ
三子者出
曾晋
曾諏
夫三子者之言何如
子曰
亦各言其志也已矣

夫子何哂由也

爲國以禮
其言不譲
是故哂之
唯求則非邦也與
安見方六七十
如五六十
而非邦也者
唯赤則非邦也與
宗廟會同
非諸侯而何
赤也爲之小
孰能爲之大
さんししゃいず
そうせきおくる
そうせきいわく
かのさんししゃのげんはいかん
しいわく
またおのおのそのこころざしをいうのみ
いわく
ふうしなんぞゆうをわらうや
いわく
くにをおさむるにはれいをもってす
そのげんゆずらず
このゆえにこれをわらう
ただきゅうはすなわちくににあらざるか
いずくんぞほうろくしちじゅう
もしくはごろくじゅうにして
くににあらざるものをみんや
ただせきはすなわちくににあらざるか
そうびょうかいどうは
しょこうにあらずしてなんぞ
せきやこれがしょうとならば
たれかよくこれがだいとならん
三人が退出した
曾皙が残った
曾皙が尋ねた
他の三人の願いについてはどうですか?
孔子が言った
ただそれぞれの願望を言っただけだ
曾皙が言った
子路の言葉に笑われたのは何故ですか?
孔子が言った
国を治めるには礼譲が必要だ
子路の言葉には譲り合いはない
だから私は笑った
冉有も国の統治に志がある
六七十里四方
五六十里四方も
領土があるのは国だ
公西華も国の政治に志がある
国の祭祀や外交をするはずがない
諸侯以外の者が
公西華ほどの人間が下位の大臣ならば
誰が上位の大臣となるのだろうか?



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